×

Palme's video: 2020 07 14

@フランスの拘置所は最悪?!地方都市ニームで環境改善に取り組む弁護士(2020/07/14)
南フランスにニームという街がある。 フランス第2の都市マルセイユから北西に約120キロ離れ、人口15万人が暮らす街だ。 この規模の街には必ずMaison d’arrêtと呼ばれる拘置所があるのだが、ニーム拘置所は先日7日にフランスの最高裁判所にあたるCours de cassationから命令を受けた。司法当局は拘置所内の調査を開始し、当局が施設の衛生環境が劣悪だと判断した場合、未決囚に限り、仮釈放を認めることを決めたのだ。これは拘置所の衛生環境の改善を願う人々にとって大きな希望だという。 ちなみにフランスは欧州連合人権裁判所から、国内拘置所の衛生環境が劣悪すぎると長年に渡り指導を受けている国だ。世界刑務所監視機関OIPによるとニーム拘置所はヨーロッパで最も衛生環境が劣悪な拘置所の1つに認定されているという。 では具体的に何が問題なのだろうか? 主に3つが挙げられる。まず1つ目はこの動画でも描かれている通り施設が老朽化し、拘置所の至る所が壊れている点だ。2つ目は囚人が24時間のうち22時間も個室に閉じ込められている点。そして、3つ目は今年4月の調査によると拘置所全体で198%、収容定員の2倍近くの囚人が収容されている過剰収容問題である。 こうした問題はニーム拘置所だけではなく、フランスの囚人収容施設全体に当てはまることらしい。 しかしながら、皮肉にもCovid19が状況を一変させた。今年3月にフランスでは刑務所、拘置所に約7.2万人が収容されていたが、5月末には5.9万人へと減少し、めずらしく6.1万人の適正収容人数を下回ったのだ。 元記事 https://france3-regions.francetvinfo.fr/occitanie/detenus-prisons-nimes-beziers-mende-peuvent-demander-liberation-conditions-accueil-indigne-1852206.html 【コラム】フランスにおける刑務所 フランスの地方都市を旅すると、かなりの確率で、塀に囲まれた刑務所に出くわすことがある。PrisonやMaison d’arrêt, Centre de détentionと刑務所を意味するフランス語の看板が旅行者を出迎えるのだが、そういった施設がそれぞれどういった目的で存在し、分類されているのか?毎回、疑問に思うのだが、そんな疑問は、シャボン玉のようにいつも儚く消え去ってしまう。そこで、この機会に『刑務所』を意味するフランス語一つ一つにしっかりとした定義を与え、それぞれの施設がいったいどういう場所なのかを皆さまに説明してみたいと思う。もちろん、日本とフランスでは法制度、言語も違うわけで、説明がくどくなってしまうが、そこはお付き合い願いたい。 まず、フランスにおけるPrisonは大きく2つにわけることが出来る。 まずは maison d’arrêt(拘置所)だ。maison d’arrêtはフランスに全部で82カ所存在し、主に未決囚や2年以下の懲役を科せられた受刑者がここで過ごす。Centre de détentionと違い定員制限が緩く、過剰収容が問題となっている。ちなみに日本で拘置所といえば死刑執行が行われる場所としても有名であるが、フランスでは死刑制度が廃止されているので、死刑囚そのものが存在しない。 そして、2つ目が Les établissement pour peine (受刑者収容施設)だ。フランス国内に96カ所存在するが、Maison d’arrêt 拘置所と違い定員制限が課され、受刑者は基本的に独房で生活する。 この Les établissement pour peine (受刑者収容施設)も4つに分類できる。 まず1つ目はCentre de détention(刑務所)だ。この施設はフランス国内に25カ所あり、主に2年以上の懲役受刑者が収容され社会復帰のための更生プログラムが行われる。 次がMaison Centrale (重罪刑務所)と呼ばれる施設だ。この施設はフランスに6カ所あり、重要犯罪を犯し長期の懲役が科せられた受刑者が収容される。ここに収容されると社会復帰するのが難しいと言われている。 3つ目はCentre de semi-liberté(半自由センター)と呼ばれる施設だ。この施設はフランスに10カ所あり、受刑者の社会復帰が最大の目的だ。よって、受刑者は日中になると施設外の学校や工場といった場所で研修を受ける。受刑者は終日、塀の中で生活するわけではないのでsemi-liberté半自由という名前が付けられているのだ。 そして、最後はフランスに55カ所あるCentres pénitentiaire(受刑者センター)と呼ばれる施設。この施設では敷地が複数に分割されており、分割された区域ごとにMaison d’arrêt拘置所 とCentre de détention刑務所、Maisons Central 重罪刑務所と用途が異なる施設が配置されている。 ちなみにフランスで最大かつ最も危険だと言われているCentres pénitentiaire(受刑者センター)はパリから南東に26km離れたエソンヌ県にあるFleury-Mérogisセンターで、拘置所MA 、女性専用拘置所MAF、未成年センターCIJ全体で約2800名が収容されている。Fleury-Mérogisセンターはパリ中心街にあるサンテ刑務所の過剰収容問題を解決するために1968年に建設された。また、閉鎖空間のなかで受刑者同士が密接して暮らすことからISIL自爆テロ犯の巣窟となっている。 日本では全国を8つの矯正管区(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡)に分け、刑務所や拘置所の運営が行われているが、フランスでもMaison d’arrêt と Les établissement pour peine は全国を10カ所(ボルドー、ディジョン、レーヌ、リール、ストラスブール、パリ、トゥルーズ、リヨン、マルセイユ、海外領土)のDirection interrégional des services pénitentiaire矯正管区に分け、それぞれ運営されている。 日本ではフランスと異なり、刑務所と拘置所は完全に独立して全国に配置されていると思われがちだが、日本でも刑務所の敷地内、あるいは隣接地区に拘置所が併設されているケースが多い。例えば、札幌や仙台といった地方の拘置支局は刑務所に隣接する場所に配置されている。また、著名な死刑囚の死刑執行が刑務所ではなく拘置所で行われるために、日本の拘置所では未決囚と死刑囚のみが収容されていると思われがちだが、実際にはA級受刑者と呼ばれる初犯などで犯罪傾向が進んでいない受刑者も服役しているという。これはフランスのMaison d’arrêt で懲役2年以下の受刑者が服役しているのと類似していると言える。 最後にフランス語で刑務所を指す以下の単語が出てきたら、このように考えてもらいたい。 Maison d’arrêt ⇒ 拘置所、未決囚や懲役2年以下の受刑者が収容されている施設 Centre de détention⇒刑務所、懲役2年以上の受刑者が収容されている施設、社会復帰を目指す Maison Central⇒ 重罪刑務所。凶悪犯などの重罪者が収容されている施設 Centre pénitentiaire⇒複合型刑務所。拘置所や刑務所が合体している施設 Centre de semi-liberté⇒社会復帰促進センター。受刑者が更生するための宿泊施設、外出して研修をうけることができる。 Prison⇒ 以上の刑事施設の総称として使われている。ちなみに、フランスの報道ではカルロス・ゴーン氏が収容されていた東京拘置所は、Prisonと訳されていた。 参考記事 https://www.vie-publique.fr/fiches/268775-les-differents-types-de-prisons-maisons-darret-centrales

15

0
Palme
Subscribers
2.6K
Total Post
0
Total Views
269.2K
Avg. Views
5.4K
View Profile
This video was published on 2020-07-25 13:36:01 GMT by @Palme on Youtube. Palme has total 2.6K subscribers on Youtube and has a total of 0 video.This video has received 15 Likes which are lower than the average likes that Palme gets . @Palme receives an average views of 5.4K per video on Youtube.This video has received 0 comments which are lower than the average comments that Palme gets . Overall the views for this video was lower than the average for the profile.

Other post by @Palme