奈南氏権兵衛's video: 5-07

フォーク・リバイバルの隆盛の結果、基本的には同根のルーツを持つカントリーの世界に、フォーク・リバイバルの持つ反権力的な思想面は排除しながら、少なくともサウンド的には近づこうとする動きが生れて、カントリー・フォークと呼ばれる新しいジャンルが出来ました。　感覚的にカントリーにとても近くて、ことさら区別されないケースも多い様ですが、カントリー・フォークは必ずしもメインストリームのカントリー・ファンをターゲットとはしていない様に思われます。　ブルーグラスがそうである様に、カントリー・フォークにはカントリー・フォークのファン層が出来ているのでしょう。 Johnny Cash - フォークソングのリバイバルは大きな流れとなり、フォーク音楽のルーツといった核心的な部分も見えて来ました。　ルーツを求めた結果、Carter Family に辿り着きました。 June Carter Cash - Carter Family の音楽については、主に大学やその他学校の講義で語られることが多かったので、多くの若者がギターやオートハープを弾き始め、私の母について多くの興味が示されました。　あちこちのカレッジで演奏したことを良く覚えています。 Laurie Lewis - 学生たちは突然今まで聞いてこなかったタイプの音楽に出会い、それは何かが爆発した様に彼らの間に広まって行きました。　そこに Ralph Rinzler が Doc Watson を連れて登場したのです。 Kathy Mattea - 音楽のことを考える人たちに最初に出会ったのは、大学に入った時でした。　レコードが沢山揃っていましたしギターもそこそこ弾けましたので、レコードの最初から終りまで曲に合わせてギターを弾きながら途中一度も止めないで聴きました。 Mac Wieseman - フォーク・リバイバルというのは、私にとっては音楽キャリアの再出発の様なものでした。　大学に出掛けて行って、昔の歌をやる。　物事に感じ易い年頃の学生のグループが私の周りに出来て、彼らはこのフォーク音楽に感化を受け、私のやることに注目していました。 Narrator - フォーク・リバイバルの延長線上で、The Stoneman Family の様な新しい形のトラディショナル音楽のグループが人々の興味を引きました。 Patsy Stoneman Murphy - ある時私たちはカリフォルニアで "The Steve Allen Show" に出ていたのですが、Steve Allen はカントリーが嫌いで、「あんなのは俺の趣味に合わん」と周囲にハッキリと言っていました。　何処かで買って来たビーニーを被って、彼らはフォーク・シンガーたと言っていました。　私達の曲と彼らの曲が重なって、取り敢えず彼等から始めました。　結果オーライで、彼等はこれがフォークだと言いました。　 Jimmy Stoneman - ヒルビリーだと見下されなかった、初めての経験でした。　　我々から学ぼうとする人たちも表れ、サンフランシスコの有名な The Filmore West にも出演する様になりました。　私のベースが何で出来ているのか、わざわざ見に来る人もいました。 Donna Stoneman - あの人たち、みんなラリッてたわ。　ドラッグやってたってことよ。　私たちはそんな環境でも気を入れて演奏して、みんな喜んでたわ。 Peter Rowan - 私たちには、バーンと弾けて音楽の真っ只中に飛び込みたい、もっと深く入って行きたい、という様な感覚がありました。　この音楽を聞くと、これはずっと南の方、深南部で、外界から隔離された環境で100年もじっと寝かされいた音楽です。 Emmylou Harris - アーティストがいて、夫々の世代が自分達を夫々に詩的に表現しようとし続ける限り、新しい言葉、新しい詩、新しいイメージは湧き続けることでしょう。　しかし一方で、私たちはいつも変わらない永遠のテーマに挑戦し続けていますよね。　それは時の始めから。　人は己の寂しさを知り、何かを探し続けています。