Terra Music's video: 24

動画後半ではMIDI楽譜で音を確認いただけます。 いただきました何気ない日常の写真に静かな音楽を乗せていく曲集です。 24音のピアノ曲です。 駒沢の"アオ空"を写した写真です。一点だけ小さな雲が浮かんでいます。 意味、理論、概念、理想、現実の全てのゲシュタルトを崩壊させないと作品は生まれない、という意味で音楽理論は学習時の脳回路を作るためだけに用いて、あとはいかに作品が作れるか、に自身を変容させるべきだと考えています。 人は虚空の中に何を残せるのでしょうか。残すべきなのでしょうか。 それでも全てが消え失せるなら、一体何を目的として存在すべきでしょうか。 曲の進行は、 A7(b9, , ,13)　Dm6(9,11)　Db6(9)　CM7(9, ) と解釈できる流れです。 12音を2音ずつ用いています。 人が望む"調和"がもたらすのは平安ではなく奇妙さでしょう。 調和の現実は意図しないでも起こってしまう結果の状態。 人の意図は、人だけに通じる調和を目指したものです。しかしそれをいうなら、全ての生命体がそれだけを日々為しているわけで、それは調和というより、やはり生存のための根源的な欲求の追求に過ぎないのではないでしょうか。 "調和"という言葉だけの概念がいかにも現実にはっきり存在している、と思い込んでいるのかもしれません。 調和しているはずのVI-II-V(IIb)-Iが凍りつき透明になった機能和声の姿を感じてみてください。 透明な調性のクオリア。 普段見上げている理想的な虚空の青の中に入り込めたとしても、そこは凍りついた世界です。そこではきっと雑多とした下界こそが理想に思えることでしょう。 理想という存在も言葉だけで現実には存在しないのかもしれません。 ほのかに追求をして、じんわりと最後に少しだけ叶うのが自分にとっての心地よい理想、と気づかされました。 言葉だけにしかないことに踊らされず、クオリアを少しだけ信じてみる、というのが私は心地よいからこそ、こうした方法論を作ったことになります。 現状の方法論作成と作品制作から卒業できるのは、自身の追求が生存中にどこかで完了することなどなく、今急いでも今の自分の程度をさらけ出すこと以上に自身の方法論が自分よりも今すぐ進化することはない、と気がつきました。 まだしばらく探求して、何かを得て、また作ってみたいと思います。 24曲、お写真のご提供いただきました皆様、誠にありがとうございます。 これらのお写真があったことで、何倍も深く深く追求することができました。 この場を借りて御礼申し上げます。 そして、この24曲をkyo-chamaに。